部署間の垣根を越え、対話から生まれた「真の課題解決」
当初のご要望は「築34年が経過した建物の美装化」や「OAフロア化」といった機能面が中心でした。OAフロアとは、床の上にパネルを敷き詰めて二重構造にし、その隙間に複雑な配線類をすべて収める仕組みのことです。 これにより、足元に散乱していた電話線やLANケーブル、電源コードが視界から消え、つまずきの防止や掃除のしやすさが向上するのはもちろん、デスクの配置も制限なく自由に変更できるようになります。
ヒアリングを重ねる中で、真の課題は「受発注の仕組みによるペーパーレス化の停滞」や「部署間(設備・インフラ・土木・総務)のコミュニケーション不足」にあることが見えてきました。
部署ごとに異なる業務スタイルやニーズがあり、当初は要望も多岐にわたりましたが、部門を越えた連携を生み出し、会社全体としての生産性を高めるオフィスづくりを目指しました。
〈執務エリア〉「増やさない仕組み」で実現するフリーアドレス
「快適に過ごせるオフィス環境」をコンセプトに、従来の固定席を廃止し、より柔軟な働き方へと舵を切りました。
〇固定席の廃止とフリーアドレス化の推進
座席を固定しないことで、部署の垣根を超えたコミュニケーションを活性化させます。その日の業務内容に合わせて最適な場所を選択できる環境が、創造性を刺激します。
〇物理的制限によるペーパーレスの徹底
個人ロッカーの活用と並行して、オフィス全体の書庫を最低限の配置に絞り込むことで、収納容量をあえて制限するという「物理的な仕組み」を取り入れました。これにより、これまで滞留しがちだった書類の整理・削減を自然な形で促し、探し物の時間を減らすなど、日々の仕事の効率化と生産性の向上を後押ししています。
〈コミュニケーションエリア〉偶発的な対話が組織を活性化
執務エリアの傍らに、部署の垣根を超えて自然と人が集まるコミュニケーションエリアを新設しました。これまで接点の少なかった設備・土木・総務といった異なる部門のメンバーが、コーヒーを片手に立ち話や気軽なミーティングを行えるようになり、組織に新たな活力が生まれています。コミュニケーションエリアの周辺には、複数の打ち合わせスペースを集約させて配置しました。立ち話から「そのまま座ってしっかり話そう」という流れがスムーズに生まれ、現場でのスピーディーな合意形成をサポートしています。
〈2Fフリースペース〉心地よい食事とリフレッシュを叶える食堂エリア
2Fのフリースペースは、多忙な業務の合間に社員が心からリラックスできる「憩いの場」としての機能を第一に考え、リニューアルを行いました。ソファ席側のテーブルは軽量でレイアウト変更も容易なため、ランチタイムにはグループで囲んで団らんを楽しむなど、食事を通じた社内交流を育む場となっています。
一方で、壁際に設けたカウンター席は、あえて視界を限定することで周囲の喧騒を遠ざけ、自然と自分の世界に入り込める設計を取り入れました。全席に電源を完備しているため、食後のひとときに周囲を気にせず自分のペースで作業を進めたり、一人の時間に没頭したりと、リフレッシュの質をより高める空間となっています。